建築設計で建築3DCADを使っていると、ワークステーションノートPCも選択肢の一つになります。
でも、ワークステーションノートPCって使った事無いし、どうなんだろう?って興味をお持ちの方も多いと思います。
今まで建築3DCADを何台かのモバイルワークステーションでテストしてきたNORI(@norino_mono)がAMD Ryzen 7搭載のThinkPad P14s AMDをレビューしてみました。
以前テストしたThinkPad P14sはIntel+Quadro搭載マシンでしたが、今回のAMDプロセッサー搭載マシンも、建築3DCADは快適に動作しますし、動画編集も問題無く使える1第です。
そんな感じで今回は『Lenovo ThinkPad P14s AMD(型番:20Y1CTO1WW)』のレビュー記事になります。
本記事はLenovo様より商品をお借りして作成しました。
目次
ThinkPad P14s AMD(型番:20Y1CTO1WW)
今回お借りしたThinkPad P14s AMD(型番:20Y1CTO1WW)は、Lenovoのメーカー直販サイトのモデルの14型のモバイルワークステーションです。
製品仕様
直販モデル | |
---|---|
プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 PRO 4750U |
初期導入済OS | Windows 10 Pro 64bit |
メモリ | 8GB DDR4 (オンボード) |
ストレージ1 | 512GB (M.2 PCIe NVMe) |
ディスプレイ | LEDバックライト付 14.0型 FHD IPS液晶 (1920x1080ドット、1,677万色以上) 、光沢なし |
グラフィックス | AMD Radeon™ グラフィックス |
電源アダプター | 65W ACアダプター (2ピン)(USB Type-C) |
標準保証 | 1年間 引き取り修理 |
内蔵カメラ | あり (前面:HD 720p カメラ、ThinkShutter付き) |
指紋センサー | 指紋センサー |
ポインティングデバイス | TrackPoint + ThinkPadクリックパッド |
キーボード | フルサイズ・キーボード (6列)、89キー (Fnキー、PgUpキー、PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド、バックライト・キーボード |
ワイヤレス | インテル® Wi-Fi 6 AX200 a/b/g/n/ac/ax |
WWAN | WWANなし |
Selectable Sim Card | なし |
Near Field Communication | NFCなし |
バッテリー | 3セル リチウムイオンバッテリー |
外観
ThinkPad P14sの外観です。
ThinkPadで見慣れた黒の艶消しの筐体です。
本体サイズは公称で、幅が約329mm奥行が227mmです。インテルプロセッサー搭載機と同じ同じサイズです。
画像の部分は最薄部で約18.9mmです。
前後部分にはインターフェイスは無く、スッキリとした印象です。
左から見た側面です。左側から『USB3.1 Type-C Gen 2』×1、『USB3.1 Type-C Gen2』と『ドッキングコネクタ』『USB3.1 Type-A Gen 1』×1、『HDMI』×1、『マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック』×1、『microSDメディアカードリーダー』×1です。
右側面には、左側から『スマートカードリーダー(カスタマイズによる選択)』×1、『USB3.1 Gen 1 』×1、『イーサネット・コネクター(RJ-45)』×1、『セキュリティー・キーホール』×1が並びます。
ThinkPad P14sシリーズの底面はインテルプロセッサ、AMDプロセッサ共に排気口が小さい感じです。
Thinkpad P14s AMDの本体重量は、実測で1523.1g。インテルプロセッサのThinkPad P14sと比べるとほんの少しだけ重いです。
電源アダプターの実測は、304.8gです。
電源アダプターの65Wは、インテルプロセッサ搭載モデルと同じようです。
電源アダプターとThinkPad P14sを合わせた重さは1827.9g。十分持ち運びに耐えうる重さです。
ディスプレイは180°開き、フラットになります。
ディスプレイの左右のベゼルはとっても細くてスッキリ。上部にはカメラが内蔵されています。
お借りしたThinkPad P14s AMDのディスプレイは非光沢タイプですが、以前お借りしたインテルプロセッサ搭載したモデルの時は、光沢タイプでした。マルチタッチタイプの選択もできますので、使い方によってそちらを選ぶのもありだと思います。
キーボードは、フルサイズ (バックライト付) 日本語でThinkPad定番の赤のポインティングデバイスが目立ちます。
キーボード左下部には搭載されている『AMD Ryzen 7 Pro』のラベルがあります。
キーピッチは一般的な19mm。腰のある感じで押し込む感じが心地いいです。
ThinkPadおなじみの上側にボタンがあるタッチパッドです。手前側もボタンになっています。ThinkPadからの買い替えだけでなく、他のノートPCからの買い替えの方でも、戸惑うことなく使えると思います。
製品特長
Lenovo公式サイト内のThinkPad P14s AMDのページから引用して紹介しますと、
- パワフルでポータブルなワークステーション
- ThinkPad P14sは、AMD Ryzen™ PROプロセッサーとAPUに内蔵のRadeon™グラフィックスを搭載した軽量な14型のモバイルワークステーションです。パワーとモビリティ性のバランスに優れ、モバイル性の高いパワーユーザーに最適です。
- 鮮やかな詳細な映像
- 鮮やかな画像や動画を楽しめる、マルチタッチパネルのFHD (1920 x 1080) Privacy Guard 500nit液晶を選択可能。高輝度でコントラストが高く、詳細で鮮やかな色彩で映像を楽しめます。
- 臨場感のあるサウンド
- Dolby Audio™機能とステレオスピーカー、デジタルマイクロホンにより、優れたオーディオ体験を提供します。Dolby Audio™は、パワフルで豊かなサウンドを調整して、ホームシアターのようなバーチャルサラウンドサウンド体験を提供します。
- 優れたモビリティとコネクティビティ
- 軽量で長時間バッテリー駆動が可能なので、どこにでも持ち運べます。また、最新のWi-Fi規格、WiFi 6に対応しており、多数のデバイスが接続されているネットワーク上でも、高速で信頼性の高い通信が可能です。LTE(WWAN)を選択すれば、場所を選ばずにどこでもインターネットに接続可能です。
- 優れた信頼性
- MIL-SPECのテストをクリアしており、さまざまな過酷な利用環境に耐えられるよう厳しい品質テストを繰り返しています。落下テストや気温・気圧の変化、信号やディスプレイ部の開閉耐久性など、実際の使用状況に即したテストを実施しライフサイクルを通じて過酷な作業環境でもお使いいただける高い品質をお届けします。
- 高度なセキュリティ
- 重要なデータセキュリティのためにさまざまなセキュリティを搭載。TCG V2.0準拠のセキュリティ・チップ(TPM)によりデータを暗号化、Windows 10のセキュリティ機能と連携して動作します。またプライバシー保護やセキュリティ対策に有効な開閉式カメラカバーThinkShutterを搭載。そして指紋センサーは指でタッチするだけで素早く安全にログインできます。
などです。ワークステーションですので高性能と信頼性を重視した感じです。
実機テスト
普段仕事で使っている建築3DCADをメインに、各種ソフトを走らせてみました。
建築3DCADのテスト(ALTA SS)
インストール時のチェックで、建築3CADソフトの動作環境確認でCPUとビデオカードの部分が黄色くマーカーされていますが、この問題ないと思いますのでこのまま進めます。
図面入力
過去に作ってあったで図面データの編集をしてみましたが、まったく問題ないどころか快適に作業ができます。いつも書いていますが、僕の老眼と14インチのサイズは少し作業しずらいので、事務所内ならHDMIで外部ディスプレイに接続して作業がいいのかな?と思いました。
パース作成
パース自動生成も問題ありません。
構造パース表示
こちらもサクサク動きます。
WallStat
今回もWallstatを回してみました。バージョン4.39で データは編集ファイルサンプル2を使用です。あくまでも参考値として見てください。
計算時間は、約8分18秒。かなり早い部類だと思います。こうなると、インテル一択じゃないというのを感じます。。
こちらも問題無く動きます。
おまけのCINEBENCH_R15
住宅設計用3次元CAD(建築3DCAD)の推奨動作環境は”Open-GLが動くことがありますのでCINEBENCH_R15で検証です。
OpenGLはインテル+QuadroのP14sよりだいぶ低いのですが、CPUのcb値はだいぶ高いです。
CINEBENCH_R20
CINEBENCH_R20は3288ptsでした。
CINEBENCH_R23
CPU(Multi Core)は6989pts、CPU(Single Core)は880ptsです。
Crystal Disk MarkCrystal Disk Mark
ストレージのテストです。
ゲーミング性能を試してみました
ゲーミングパソコンですので、ゲームのベンチソフトを走らせてみます。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK
何パターンかテストしましたが、1280×720の軽量品質で動作困難でした。ゲーミングマシンじゃないので仕方がないのかもしれませんが、重いゲームはちょっと厳しそうです。
FINAL FANTASY XIV SHADOWBRINGERS
ANTASY XIV SHADOWBRINGERSのBENCHをはしらせてみました。
1920×1080 標準品質で「普通」判定です。
ドラゴンクエスト X ベンチマーク
解像度1920×1080の場合、最高品質で『普通』と標準品質と低品質で『快適』でした。。
動画編集テスト
EaseUS Video Editor(試用版)
パソコンのデーター復旧やバックアップのソフトでお馴染みのEaseUSさんの動画編集ソフト EaseUS Video Editorの試用版でテストしてみました。
2分8秒のmp4の動画ファイルをMOVで書き出してみましたが約1分9秒で書き出し終了。
ThinkPad P14sのインテル搭載のGen1と比べると、インテル搭載機の方に分がありました。
購入をおすすめしたい方
今回も僕個人的な意見です。
今回お借りしたこの ThinkPad P14s AMD(型番:20Y1CTO1WW) は会社でCADやデザイン、解析等の仕事をされている方以外にあまり縁のないワークステーションのモバイルノートPCと言うちょっと難しいジャンルの感じがします。
今回のモデルは、AMD社のRyzen 7 PROでメモリサイズによりますが、15万円台での購入ができます。
以前レビューをさせていただきました、インテルプロセッサー+Quadro搭載機と比べるとゲームと動画編集に関しては少し遅かった感じがりますが、建築3DCADや耐震シュミレーションの計算に関しては遜色なく感じましたので、ゲームや動画編集をメインで使われない建築設計の方にオススメしたいと思いました。
まとめ(僕個人の感想)
今回は『【ThinkPad P14sAMDレビュー】建築3DCADも快適に動くRyzen7搭載モバイルワークステーションです。』の記事でした。
ThinkPad P14s AMD(型番:20Y1CTO1WW) は、ゲームなどプライベートで使われる方より会社で、現場でガツガツ使うのにオススメのマシンかなと感じました。
100均の14インチのクッションバックに少しキツイですが入りますし、僕が普段使いしているリュックには余裕を持って入りますので、外出先でのプレゼン前の急なプランの変更時に少し重い計算も外出先でできるのがすごいメリットだと感じます。
以前レビューのThinkPad P14s と今回のThinkPad P14s AMDとどちらを選ぶか考える方もいらっしゃると思いますが僕の感覚的にはゲームや動画編集をメインで使われない場合ならこちらのAMD搭載マシンはすごく魅力的に感じました。
価格や使い方によってカスタマイズできるのがレノボの良いところです。
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