住宅設計3次元CAD(建築3DCAD)を使って20年のNORI(@norino_mono)です。
建築3DCADを使うパソコンとして、あまり高額で無い方が会社にとっても個人的にとっても懐に優しいのですが、高いパソコンって実際どうなの?って気になる方も多いんじゃないでしょうか?
今回は、サーバーやワークステーションに採用されるインテルのXeon搭載のクリエイター・モバイルワークステーションをテストしてみました。
今回は『ThinkPad T15g(型番:20URCTO1WW)』のレビュー記事になりますが、『さすが!ワークステーション!』と感じられる動作速度と快適さを感じられる一台です。
本記事はLenovo様より商品をお借りして作成しました。
目次
ThinkPad T15g(型番:20URCTO1WW)
今回お借りしたThinkPad T15g(型番:20URCTO1WW)は、Lenovoのメーカー直販サイトのモデルの15.6型のモバイルワークステーションです。
製品仕様
直販モデル | |
---|---|
プロセッサー | インテル Xeon W-10885M プロセッサー (2.40GHz, 16MB) vPro対応 |
初期導入済OS | Windows 10 Pro for Workstations 64bit |
メモリ | 32GB PC4-23400 DDR4 ECC SODIMM |
最大メモリー容量 | 最大128GB |
最大搭載メモリー数(スロット数) | 4スロット |
ストレージ1 | 512GB ソリッドステートドライブ (M.2 2280, PCIe-NVMe) OPAL対応 |
ディスプレイ | 15.6型4K UHD液晶 (3840x2160) OLED、反射防止/汚れ防止、400nit、マルチタッチパネル(10点) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2080 (8GB GDDR6 Max-Qデザイン) |
インターフェイス | RJ-45x1、HDMIポートx1、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック、電源ジャック、セキュリティケーブルスロット |
インターフェイス(USBポート) | USB Type-C 3.1 Gen 2 x2(Thunderbolt 3対応) USB Type-C 3.1 Gen 1 x1 USB Type-A 3.1 Gen 1 x2(内、Powered USBx 1) |
電源アダプター | 230WスリムACアダプター |
標準保証 | 1年間 プレミアサポート |
内蔵カメラ | IR & 720p HDカメラ(マイクロフォン付) |
指紋センサー | 指紋センサー |
ポインティングデバイス | 指紋センサーあり |
キーボード | フルサイズ・キーボード (6列)、110キー (テンキー、Fnキー、PgUpキー、PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド、バックライト・キーボード |
ワイヤレス | インテル Wi-Fi 6 AX201 + Bluetooth (vPro対応) |
WWAN | Fibocom L860-GL LTE CAT16 |
本体寸法 (幅 x 奥行き x 高さ) | 約 375.4mm x 252.3mm x 24.5-31.45mm |
バッテリー | 6セル リチウムイオンバッテリー (94Wh) |
外観
ThinkPad T15gの外観です。
ThinkPadおなじみの黒い艶消しの筐体です。
本体サイズは公称で、幅が約375.4mm奥行が252.3mmです。15.6型です。スケールをパソコンの角に合わせて写真を撮った訳ですが、カメラの関係かスケールがずれてしまっているように見えます。撮影って、結構難しいです。
厚さは公称31.45mmですので、ちょっと集めですがワークステーションですので当然なのかな?と思いました。
見た感じは、ガッシリしていて、背面部分にインターフェイスと排気口が設置されています。
背面のインターフェイスは、左から『イーサネットコネクター(RJ45)』×1、『USB Type-C Gen1』×1、『USB Type-C Gen2(Thunderbolt 3対応)』×2、『電源ジャック』×1です。
左から見た側面です。左側から『HDMI』×1、『USB3.1 Type-C Gen 1』×1、『SIMトレイ(カスタマイズ)』×1、『コンボ・ジャック』×1です。
右側面には、左側から『スマートカードリーダー(カスタマイズによる選択)』×1、『SDメディアカードリーダー』×1、『USB3.1 Type-A Gen 1』×1、『セキュリティロックスロット』×1が並びます。
底面は、こんな感じ。ビスを緩めて外せそうなパネルはメモリ増設対応なのでしょうか?
Thinkpad T15gの本体重量は、実測で1957.6g。高性能なPC=重いと印象だけです。
電源アダプター単体での重量の測定を忘れてしまいましたが、本体+電源アダプターの重量が2305.7gで、計算すると、電源アダプター単体の重量は348.1g。ゲーミングPCの電源アダプターと比べると軽く感じちゃいます。
電源アダプターは、230Wタイプですので、ちょっと大きめです。
電源アダプターとThinkPad T15gを並べてみるとこんな雰囲気。
ディスプレイは180°開き、フラットになります。
今回テストしたマシンのディスプレイは、15.6型 UHD OLED (有機ELディスプレイ) (3840×2160) 、光沢あり、400nit、マルチタッチ対応、HDR。
反射して、僕の姿が丸見えですので、モザイクを掛けさせてもらいました。
ディスプレの左右のベゼルはちょっと太目で上部にはカメラが内蔵されています。
タッチパネルタイプですが、タッチパネル無しの非光沢タイプも選択できます。
キーボードは、日本語配列タイプ。ThinkPad定番の赤のポインティングデバイスが目立ちます。
キーボード左下部には
- インテルXEONのラベル
- COLOR CALIBRATEDのラベル
- DOLBY ATOMSのマーク
があります。普通の工務店ではあまり目にする事の無いXEONです。
キーピッチは一般的な19mm。腰のある感じで押し込む感じが心地いいです。
ThinkPadおなじみの上側にボタンがあるタッチパッドです。滑りも操作性能も使い勝手が良いです。
製品特長
Lenovo公式サイト内のThinkPad T15gのページから引用して紹介しますと、
- プロフェッショナルのための性能
- ThinkPad T15g は、最大8コアの第10世代インテル® Core™ プロセッサーまたはXeon® Wプロセッサーを搭載可能で、プロフェッショナルなユーザーの要求にも対応します。さらに、NVIDIA® GeForce RTX™グラフィックスにより、今までにないないモバイルグラフィックスパワーを提供します。
- よりパワフルに
- 最適化されたエアフローと冷却機能により、デバイスを迅速かつ効率的に動作させることができます。
- 目を見張る美しさ
- UHD OLED (有機ELディスプレイ)やHDR FHD IPS液晶 など、詳細で豊かな色彩を実現する液晶を選択可能。また、 Dolby Audio機能により、歪みがなく、驚異的なオーディオとビジュアル体験に浸ることができます。
- 信頼性と耐久性
- MIL-SPECのテストをクリアしており、さまざまな過酷な利用環境に耐えられるよう厳しい品質テストを繰り返しています。落下テストや気温・気圧の変化、信号やディスプレイ部の開閉耐久性など、実際の使用状況に即したテストを実施しライフサイクルを通じて過酷な作業環境でもお使いいただける高い品質をお届けします。
- 高速通信と便利な機能
- 最新のWiFi 6やLTEを選択可能で、高速で快適な接続性を提供します。さらに、F9-F11ファンクションキーを使えば、ボタンに触れるだけで、電話会議への応答、通話の発信、切断が簡単に行えます。
- 優れたセキュリティ機能
- ビジネスに不可欠な情報を保護するさまざまなセキュリティ機能を搭載。TCG V2.0準拠のセキュリティ・チップ(TPM)によりデータを暗号化。指紋センサーを選択すると、指でタッチするだけで素早く安全にログインできます。
などです。
クリエイター向けモバイルワークステーションの性能がギッシリ詰まった印象を受けます。
実機テスト
普段仕事で使っている建築3DCADをメインに、各種ソフトを走らせてみました。
建築3DCADのテスト(ALTA SS)
インストール時のチェック。XeonとRTX2080 Super with Max-Q Designの部分は黄色く塗られて『弊社サポートへご確認…』とアラートが出ますが、この問題ないと思いますのでこのまま進めます。
図面入力
過去に作ってあったで図面データの編集をしてみましたが、とても快適ほんと快適。ThinkPad T15gの15.6型のモニタサイズはCAD作図の作業もこなせます。
パース作成
パース自動生成も早いです。
自動生成中のタスクマネージャーを表示して様子を見ましたが、CPUの使用率は余裕がたっぷり。GPUも内蔵のGPU0は動いていますが、GeForce RTX2080には負荷がかかっていません。
構造パース表示
こちらもサクサク動きます。
WallStat
今回もWallstatを回してみました。バージョン4.39で データは編集ファイルサンプル2を使用です。あくまでも参考値として見てください。
計算時間は、約9分51秒でした。
タスクマネージャーでCPUなどの仕様率を見てみると、余裕たっぷりです。一般的なパソコンですとWallstatの計算中は他の作業ができないイメージでしたが、XEON搭載のThinkPad T15gでしたらマルチタスクで作業しても大丈夫かもしれません。
当然、シュミレーションも問題無く快適に動きます。
おまけのCINEBENCH_R15
住宅設計用3次元CAD(建築3DCAD)の推奨動作環境は”Open-GLが動くことがありますのでCINEBENCH_R15で検証です。
CPUはとっても高性能。OpenGLもとても良いスコアですが、少し前のQuadro搭載のThinkPad P14sの方が少しだけ高性能でした。
おまけのCINEBENCH_R20
こちらも快適。8コア16スレッドはホントに快適です。
Crystal Disk MarkCrystal Disk Mark
ストレージのテストです。
M.2PCle SSDも快適に動きます。
ゲーミング性能を試してみました
ワークステーションですがパソコンの性能のある程度の基準を見たいので、ゲームのベンチソフトを走らせてみます。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK
高品質、3840×2160、フルスクリーンで『普通』の評価でした。完全にデザインやクリエイター系の作業向きの印象です。
FINAL FANTASY XIV SHADOWBRINGERS
FAINAL FANTASY XIV SHADOWBRINGERSのBENCHをはしらせてみました。
1920×1080 最高品質で「非常に快適」判定です。
動画編集テスト
EaseUS Video Editor(試用版)
パソコンのデーター復旧やバックアップのソフトでお馴染みのEaseUSさんの動画編集ソフト EaseUS Video Editorの試用版でテストしてみました。
2分8秒のmp4の動画ファイルをMOVで書き出してみましたが約54秒で書き出し終了です。
マルチタッチパネル
今回お借りしたモデルは、『15.6型4K UHD液晶 (3840×2160) OLED、反射防止/汚れ防止、400nit、マルチタッチパネル(10点)』
最初、知らないままテストを始めたのですが、画面がやけに光るなと思って触ってみたらタッチパネルになっていました。スマホと同じようにタップしたり、スワイプやピンチなどできます。僕の使っている建築3DCADではあまり必要ありませんが、そのような使い方を推奨するCADなどでは必要になるのかもしれません。
高速通信対応
いつもテストをする時は、LANケーブルを挿してネットに接続していますが、『ネットワーク』を確認すると『携帯電話 SIMを挿入してください』の案内がありました。
今回のモデルはLTE対応で、サイドにSIMスロットがあります。最近、高速で低料金の通信が出ていますのでそれらを契約すれば、外出先の作業でも困る事は無いと思います。
購入をおすすめしたい方
今回お借りしたThinkPad T15g(型番:20URCTO1WW)は一般の方にはあまり見る事も無いモバイルワークステーションです。
今回のモデルは、50万円台のVRクリエイター向けプレミアム。住宅専門の工務店の僕の立場からすると金額的には、ちょっと厳しいですし性能的にも余裕がありすぎの感じがします。僕のCADはお客様へのプレゼンや確認申請図書作成ができる程度のスペックですが、バーチャル見学会や木造の許容応力度計算のオプションなど高負荷のかかる建築3DCADを使っている方やBIMを使われている方の方が向いていると思います。
僕の作業内容からすると20万円台中頃からの価格の第10世代Intel Core i7プロセッサー+NVIDIA GeForce RTX2070 搭載の『製造・建築3次元CAD&解析/CAE向けパフォーマンス』がちょうどいいのかな?と感じました。
しかし、少し重いですがインテルXEON搭載モデルは、こんなに高性能ながら15.6型の持ち運べるモバイルワークステーションで、一度は手にしてみたいなと思うモデルでした。
まとめ(僕個人の感想)
今回は『【ThinkPad T15gレビュー】インテルXeonは建築3DCADが快適動作』の記事でした。
ThinkPad T15g(型番:20URCTO1WW)は完全に会社で仕事に使い、ガンガン作業をこなしていくマシンです。
しかし、15.6型ノートPCですので少し重いですが。持ち運びができて、どこでも社内と同じように作業ができますが、建築3DCAD以上の仕事をしないともったいなく感じます。
今回お借りしたモデルは直販モデルはクーポン適用で526,130円のとっても高額なモデルですが、インテルCore i5プロセッサー+NVIDIA GeForce RTX2070のスタンダードタイプは20万円台後半から購入することができます。プロセッサーやストレージやディスプレイの変更などはご予算、使い方に合わせて選べます。
価格や使い方によってカスタマイズできるのがレノボの良いところです。
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