当ブログ【ノリモブPC】では、仕事(木造住宅設計)で使っている住宅設計用3次元CAD(建築3DCAD)が動作するパソコンの紹介をしており、『ワークステーション』ジャンルとの相性についてちょっと書いてみたいと思います。
目次
ワークステーションと建築3DCAD【住宅設計用3次元CAD】との相性
あくまでも、僕、NORI(@nori_mono)個人的な感想ということを最初にお伝えしておきます。
ワークステーションって?
とにかく『高性能なコンピューター』と言う認識で間違いないと思いますが、Wikkipediaでは
ワークステーション(英語: workstation, 頭字語: WS)は、組版、科学技術計算、CAD、グラフィックデザイン、事務処理などに特化した業務用の高性能なコンピュータである。
例えるなら自動車業界のスーパーカーのような存在で、費用対効果よりも最高性能が必要な用途に供される。どの側面で見ても一般のパソコンを遥かに上回る性能を持つ事が普通で、高画質な動画再生や多数タブによるブラウザ利用などの用途では処理落ちが発生することは稀である。
「ワークステーション」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
2021年4月19日 (月) 06:30 UTC
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
エントリーPCをはじめ、仕事内容や作業内容、ゲームをやる方やらない方などで、ビジネスPC,ゲーミングPC,クリエイターPCなどの選択肢がありますが、ワークステーションはどちらかと言うと業務用で、高額なので今まで一般の方はあまり目のする事が無かったですが、最近はPCサイトの一般向けのコーナーでもワークステーションが販売されていて、ちょくちょく目にするようになりました。
仕様
『ワークステーション』は大手PCメーカーからBTOメーカーまで発売されていますが、使われ方(会社や研究室、大学など)によって仕様がマチマチで詳細な決まりは無いようですが、高性能なCPU&GPUと大容量メモリ、あとは大容量の電源ユニットがセットになっています。
OSもWindows 10 Pro 64 Bitだったり、Windows 10 Pro for Workstationsだったりこちらも、作業される環境や動作させるアプリケーションによっても様々です。
使用環境
僕が、よく目にしたり耳にするワークステーションを使う環境は、機器の設計や3D図面の作成、金融関係、医療関係、いろいろな開発業務などです。建築でも高層ビルなどの耐震や制震のシュミレーションなどに必要な感じですので、僕が関与する木造軸組構法の戸建て住宅ではスーパーカーじゃなくても十分設計できます。
僕自身、零細企業の為最初からワークステーションは選択肢には入っていませんでしたが、妻は勤めている会社でCADシステム担当業務をしているらしく(噂)、常日頃からワークステーションに触れている話はよく耳にしていましたので、興味シンシンでした。
しかし、CPUやGPUの高性能化が進み、一般の方でも購入できるワークステーションが発売されるようになり、メーカー様からもお借りできる機会ができましたので、ワークステーションで住宅設計レベルの建築3DCADを動作させて相性等を確認してみました。
住宅設計用3次元CAD(建築3DCAD)の動作環境
建築に関連するCADソフトには様々な種類があり、AutoCADやJW_CADに代表される汎用2次元CADもありますが、作図のスピード化や耐震や断熱の性能確認、プレゼンテーション性能を要求される時代になり、平面図を入力すると初期設定された要素(柱の太さや部屋の仕様などを元に、ボタン一つで建物の図面(立面、パース、構造など)を連携して作ってくれる住宅設計用3次元CAD(建築3DCAD)があります。
住宅設計用3次元CAD(建築3DCAD)は各社から販売されていますが、そのうち代表的なソフトの動作環境を抜粋した表です。(2020年11月現在)
ARCHITREND ZERO | A's(エース)Ver.3 | B-MOS | ALTA | ||
---|---|---|---|---|---|
OS | Windows 10 October 2020 Update バージョン20H2 Windows 8.1 | Windows 10 / Windows8.1 64bit / 32bit | Microsoft Windows10 (B-MOS Ver14.0R1より対応) ・Microsoft Windows8.1 /Pro (B-MOS Ver13より対応) | Windows 10 May 2019 Update(OS ビルド 10.0.18362) 64ビット版 |
|
64bit | 64bit | ||||
CPU | 必要 | Core i5以上 | Core i3 以上 | Core i3 同等以上 | Core i5以上(※CPUは、intel社製のみ) |
推奨 | Core i7(intel製に限る) | Core i7-6700以上 | Core i5 同等以上 | Core i7以上 第8世代以降(※CPUは、intel社製のみ) | |
グラフィックス | 必要 | OpenGL、DirectXをサポートしたグラフィックボード | OpenGL Ver4.0以上対応及び | DirectX9もしくはOpenGLに対応したビデオカード | ビデオメモリ1GB以上 OpenGL3.3 |
推奨 | 専用のグラフィックアクセラレータ(NVIDIA製GeForce GTX950以上) | NVIDIA社製グラフィックチップ搭載カード | 推奨:OpenGL 4.4以上) インテル:HDグラフィックス内蔵インテルR Core i7(第7世代以降) |
||
メモリ | 必要 | 64bit版OS:8.0GB以上 32bit版OS:推奨4.0GB | 4.0GB以上 | 4GB以上 | 8GB以上 |
推奨 | 64bit版OS:16.0GB以上 32bit版OS:推奨4.0GB | 8.0GB以上 | 8GB以上 | 32GB以上 | |
ハードディスク | 必要 | 7.0GB以上【FAT32・NTFSファイルシステム】 ※データの大きさや必要構成により異なります。 | 40GB 以上 | 20GB以上の空き容量 | 10GB以上の空き容量(システムのみ) ※データにより増加 |
推奨 | 100GB 以上(SSD) | ||||
ディスプレイ (モニター) | 必要 | 1280×1024以上 | SXGA(1280×1024 ピクセル)または WXGA(1366×768 ピクセル)以上 | 1280×1080以上 | 1920×1080(フルHD) |
推奨 | 1920×1080 | フルHD(1920×1080 ピクセル) | 1920×1080以上 |
必要動作環境を見ると、それほど高性能を要求されていませんが実際に使ってみて快適に仕事ができる『推奨環境』では、マウスコンピューターのDAIVシリーズのようなクリエーターPCが当てはまります。
グラフィックスに関して、以前は『OpenGL対応』が主に言われていましたが、最近の建築3DCADはOpenGLだけでなく、DirectXが動く事を要求されている製品や内蔵GPUが要求されたりと、必要動作環境レベルではそれほど高性能でなくとも動きますが、仕事となるとある程度サクサク動いてくれるパソコンでないと効率よく仕事ができません。
相性問題
僕が約20年前に建築3DCADを使い始めた頃、グラフィックスを搭載しているパソコンがあまり一般的ではありませんでしたが、建築3DCADの推奨する動作環境には「できればNVIDIAのQuadroを積んでいるパソコン」おすすめされていました。その後、建築3DCADの推奨動作環境の変化もあり、今では「Direct X」やOPEN GLが動作すれば、CPU内蔵GPUやNVIDIA GeForce GTXでも大丈夫になってきました。
上記は、LenovoのモバイルワークステーションThinkPadP 14sのプログラムのインストール時の動作環境のチェック時ですが、NVIDIA Quadroの部分が黄色くマークされ『弊社サポートへご確認ください』の案内が出ますが、基本的には問題ないと思います。
その他、数台のノートPCのワークステーションに建築3DCADをインストールし、テストさせていただきましたが、不具合も無く快適に動作をしました。
テストしたワークステーションPC
このサイトでテストしたワークステーションPCのレビュー記事です。
- 【ThinkPad P1 Gen3レビュー】建築3DCADも快適すぎるモバイルワークステーション
- 【ThinkPad P14sAMDレビュー】建築3DCADも快適に動くRyzen7搭載モバイルワークステーションです。
- 【ThinkPad P17レビュー】ワークステーションは建築3DCADも快適に動く!
- ASUS【ProArt StudioBook Pro 17 W700G3T】レビュー
- ASUS【ProArt StudioBook Pro X W730G5T】レビュー
まだまだ、少ないですが今後増やしていく予定をしています。(随時更新)
ワークステーションを体験した感想
レビューはまだ少ないですが、現在テスト中のワークステーションもあり、それらも含めての感想です。
いつものレビュー通り
- 建築3DCAD(ALTA-SS)
- Wallstat
- CINEBENCH_R15
- CINEBENCH_R20
- FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK
- FINAL FANTASY XIV SHADOWBRINGERS
- ドラゴンクエスト X ベンチマーク
などを動かしてみた様子をテストしていますが、ゲーミングPCより早い・遅い、クリエイターPCより早い・遅いがあったりします。しかし、よく使うプログラム(建築3DCAD)のテストで、引っ掛かる感じが少なかった事と、CPUの使用率にものすごく余裕があり、CADで作図をしながら書類作成などマルチタスクで作業をしてみると高性能が実感できました。
ワークステーションをおすすめしたい方
僕の意見ですが、パソコンの購入に掛けられる予算がたっぷりある方に限ると思います。
ただ、最近のワークステーションはお求めやすい価格帯の物も出てきてゲーミングPCやクリエイターPCと比べても、高くない印象を受けます。ただ、ノートPCの場合ゲームをされる方としてディスプレイのリフレッシュレートが通常のパソコンと同じくらいの物がおおいので、ゲームを主にされる方にとってはゲーミングPCの方がオススメになると思います。
多くのメーカーからワークステーションが発売されていますので、建築3DCADを動かす方にとって選択の幅が広がってきていると思います。
まとめ(僕個人の感想です)
建築3DCADを使う為には『ワークステーション』は適しています。
が、仕事で使う事を主に考えると、コスト面を考えるのが当然だと思います。
最近は、ゲーミングPC,クリエイターPC、ワークステーションも手の届く価格帯の物も多くなって、建築3DCADを動かす為のパソコン選びが楽しくなってきたと同時に、悩むことも多くなってきたのかなと思います。
その中で、レビュー記事のある『ThinkPadP14s』は10万円台中頃の価格帯でおすすめできるワークステーションだと思いました。